自己紹介、がんサバイバーとしての創業への思い

2024年4月3日水曜日

開業までのこと



4月から、川越市文化創造インキュベーション施設(旧川越織物市場・旧栄養食配給所)、愛称「コエトコ」に入居することになりました。

この素晴らしい場所に、入居させていただけたことを、とってもありがたいと思っています。「一緒に入居するクリエイターたちと社会課題に取り組みながら、自分の事業にも集中できる」という、とんでもなくいい環境をいただいたのだから、軌道に乗せられるよう頑張りたい!

自己紹介と、創業への思いを書きましたので、お読みいただけたら嬉しいです。

自己紹介

  • 名前:あべゆか

  • 出身:埼玉県川越市

  • 職業:キャリアカウンセラー。現在は立教大学の現代心理学部キャリアサポーターとして週3日勤務。学部独自のキャリアガイダンス、キャリア系イベントを企画・運営しています。秋までの契約なので、以降はコエトコでの事業に専念

  • 目標:この事業を軌道に乗せることができたら、がんサバイバーで社会復帰を目指している方や、小児がんのお子様を看てらっしゃるお母さまをチームに迎い入れ、一緒に働きたいと考えております

  • 花の経歴:2013年から浦和にある「ル グランジュテ」というフランススタイルのフラワーアレンジメント教室で習い、2019年日仏フローラル芸術協会のディプロマを取得。現在も最新のデザインを習うため継続しています

  • 物販の経験:2023年の1年間は、物販経験を積むため、花・観葉植物の通販会社「ひとはな」にて、土日にカスタマーサポートの副業をしました

  • 社会活動の経験:「治療と仕事の両立支援」活動にキャリアカウンセラーとして参加。国立がん研究センターでのイベントを実施したり、がん患者の学生支援者インタビュー調査に協力したり。キャリアカウンセラーへのアンケート調査をまとめる活動も

  • 発信の経験:集英社の女性誌『エクラ』のブロガーとして、川越近郊のお散歩情報などを発信。「キャリアカウンセラーのゆか」を略して「キャリゆか」という名前で活動中

2022年頃から少しずつ創業の準備をする中で、昨年末、この入居者募集を見つけ応募。ありがたいことに入居が決まり、いよいよ本格的に準備をするという段階です。

国立がん研究センターにて 一番右が私
2023年に教室で制作したフラワーアレンジメント

創業への思い(がんサバイバーとして)

大きな目標として、がんサバイバーで社会復帰を目指している方や、小児がんのお子様を看てらっしゃるお母さまをチームに迎い入れ、一緒に働きたいと考えているのですが、その理由は、わたし自身が、がんサバイバーだからということがあります。

がん経験は、2回。2012年36歳と、2018年43歳の時。

1回目は、左乳がん。手術、抗がん剤治療、放射線治療。トリプルネガティブという悪性度が高いタイプだと言われ、再発にびくびくする日々でしたが、10年以上が経っています。

2回目は、右乳がん。手術、放射線治療をしましたが、ホルモン療法はしないという決断をしました。

周りからみたら、「2回目は抗がん剤治療もないし、早期発見でよかったね」という印象だったようですが、私は1度経験している分、ショックが大きく、精神はどん底。

放射線治療をしていた2018年夏は、記録的猛暑。クラクラする暑さの中、毎日通院しなければ!(私の放射線治療は5日間×5週間25回の通院治療)というプレッシャーと、治療について上司から理解されないことが続き、ストレスフル状態。全身蕁麻疹になり、顔や頭にまでボツボツがでて入院…。底なし沼に沈んでいくような、全く希望が持てない状態でした。

そのころ出会ったのが、長崎県で被爆されながらも、被爆者を治療・救済したという永井医師の言葉、「どん底に大地あり」です。この言葉に助けられ今があると言ってもいいくらい。「よし、踏ん張ってやる」という気持ちに変わりました。

1回目のがん経験から10年が経った2022年頃から、この事業のことを考えるようになり、2回もがんになった意味、そして助けられた意味、社会に何かお返ししたい…という考えがでてきました。

なぜキャリアカウンセラーが花事業なのか

人材派遣会社社員として働いている時、2005年にキャリアカウンセラー資格を取得。2010年からは大学生のキャリア支援が中心となり、行政機関でキャリアセミナー講師なども経験。

自分自身の体験もあり、2014年頃から「治療と仕事の両立支援」活動にキャリアカウンセラーとしてボランティアで参加し、働くがんサバイバーの悩みに触れてきました。

私ががんに罹患した頃(とくに1回目の2012年)と比べ、社会の理解が進み、両立しやすい雰囲気が醸成されたとはいえ、当事者の悩みは尽きません。一度仕事を辞めてしまうと、なかなか次の仕事に就けないことも課題です。

ご本人も「通勤できるかな…」「記憶力が低下している気がして…、職場で迷惑かけないかな…」などの不安があります。

そこで、週2,3日、短時間でも働ける職場を作りたいと考えるようになりました。アーティフィシャルフラワー(高級造花)を使用する理由もここにあります。

生花だと、当たり前ですが、腐ります。つまり作り置きができないのです。

体調不良で急遽休みたい…となったときに、休むことを躊躇してしまう仕事内容では、療養後としては不適切だと考えました。とくにがんサバイバーの方は、頑張り屋が多い。無理をしたり、周りへの気遣いをしたりして、私のように入院するほどの状態にはなって欲しくないのです。

花は、生きる力を与えてくれる

抗がん剤治療中、体調が良い時に、一眼レフカメラを片手に散歩することが趣味になりました。とくに花の写真を撮ることが好きでした。梅、桜、菖蒲、薔薇、ラベンダー、ポピー…etc. 自分の順番が来ると、精いっぱいの力を振り絞って、全力で咲く花たち。美しさに魅了され、生きる勇気をもらいました。

2013年、治療が終わってすぐ、フラワーアレンジメント教室へ。

前から遊び程度に習っていましたが、もっと本格的に学びたいと思い、浦和にあるパリスタイルの教室へ。先生は私よりも年上ですが、今もなお探求心が薄れること無く、最新のデザインを勉強し続けていらっしゃいます。とても尊敬していますし、刺激を受けるので、現在も研究科生としてレッスンに通っています。

色の組み合わせ、デザインなど、本当に奥が深くてどんどん夢中になり、2019年にはディプロマ資格を取得しました。

物販経験を積むため修業へ

これまで、私には物販の経験がありません。そこで、2023年の1年間、観葉植物・花の通信販売会社で土日の副業をしました。

部署はカスタマーサポート。お客様のご要望をお聞きしたり、運送会社へ問い合わせたり。目の前にお客様がいれば、もたもたする暇はなく、猛勉強するしかありません(電話応対なので正確には目の前ではなく、耳元ですね)。短い間でしたが、鍛えられたように思います。ご一緒させていただいた皆さま、ど素人で物覚えの悪い私に、丁寧に教えてくださり、本当にありがとうございました!

現在地について

現在、週3日、大学でキャリア支援の仕事をしています。昨年は副業や専門学校での講師もしましたが、今年は大学の仕事だけに絞り、残った時間は事業準備に注ぎます。秋までの契約なので、以降はこの事業に専念します。

今後やらなければならない事は山積み。コンセプトを固めたり、ロゴの作成、商品企画、発送テスト、写真の用意、ホームページ制作、テスト販売等々。わぁ、頑張ろう。

私のモットーは「無理はしないけど、やるときゃやる!」

今は、「やるとき」なのだろう。

「コエトコ」という素晴らしい場所で、軌道に乗せられるよう頑張りたいと思っています。


ここに至るまでに、本当に素晴らしい人達との出会いがありました。この場を借りて、出会ってくださった皆さまに感謝申し上げます。

このブログでは、事業準備のことや、「コエトコ」での活動のことなどを発信していく予定です。これからどうぞ、よろしくお願いいたします。